進行・再発

がんの浸潤・転移

がんの浸潤しんじゅん

液体が周囲にしみ込んで広がるように、がん細胞が周囲の組織や臓器に広がることを「浸潤」と呼びます。

がんの転移

がん細胞が周囲の血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って、最初に発生した場所(原発巣げんぱつそう)から離れた組織や臓器に移動して、そこで増えることを「転移」と呼びます。
転移したがんは、原発巣のがんと同じ性質を持っていて、転移したところによって肺転移、肝転移、脳転移、骨転移などと呼ばれます。例えば、肺を原発巣とするがんで、脳に転移した場合は「肺がんの脳転移」、大腸を原発巣とするがんで、肝臓に転移した場合は「大腸がんの肝転移」と呼びます。

がんが浸潤・転移するのは

がん細胞は性質がみな同じではなく、運動能力が高いものや、周囲の組織を破壊する能力を持ったものなどがあります。このような能力を持ったがん細胞が、周囲の組織や臓器に広がったり(浸潤)、血液やリンパ液の流れに乗って移動して、移動先の組織や臓器で増えたり(転移)するのです。

主ながんの転移好発部位

がんの種類によって、転移しやすい部位があります。

がん(原発巣)の種類 転移しやすい部位
肺がん 反対側の肺、脳、骨、肝臓、副腎など
乳がん 乳房の周りにあるリンパ節、肺、骨など
胃がん 胃の周りにあるリンパ節、肺、肝臓、腹膜など
大腸がん 肝臓や、脳、肺、骨など
前立腺がん 周りにあるリンパ節や骨に加え、肺、肝臓など

(公開:2022年8月)