悪液質とは
悪液質とは、基礎疾患に関連して生じ、筋肉量の持続的な減少を特徴とする代謝異常の症候群(同時に起こる一群の症状)のことをいいます。
がん以外の病気でも起こりますが、がんにおける悪液質は、がん細胞によって全身に炎症が生じた結果、タンパク質(筋肉)や脂肪の分解が促進されたり、食欲が抑制されたりすることが原因とされています。
- 通常の栄養サポートでは完全に回復することが難しいとされています。
- 体重減少や食欲不振などの症状がみられ、小児では成長障害がみられます。
がん患者さんは、病気や治療による痛みや副作用(副次的な望ましくない作用)、不安などから十分に食事をとることができなくなり、体重が減少することも少なくありませんが、悪液質の状態ではしっかり食べていても痩せていくのが特徴です。
- 患者さんの生活の質を低下させるだけでなく、治療の効果を弱めたり、副作用のリスクを高めたりします。
- 進行すると治療が難しくなるため、体重減少などがみられたら、早期に薬物療法や栄養療法などの治療を行う必要があります。