治療前
がん治療の効果を高めることを目的に、手術(外科療法)、薬物療法、放射線療法※を組み合わせて行う治療を「集学的治療」といいます。
薬物療法を手術の前に行う「術前薬物療法」と手術の後に行う「術後薬物療法」があります。
術前薬物療法:くすりで可能な限りがんを縮小させておき、手術で切除しやすくすること、正常な部分をできるだけ切除せずに残すことなどを目的として行います。
術後薬物療法:手術でがんを切除しても、目に見えない小さながんが体の中に残っていると、それが原因で再発するおそれがあります。術後薬物療法は、くすりで小さながんを死滅させることで、再発のリスクを減らすことを期待して行います。
「術前照射」「術後照射」「術中照射」があります。
術前照射:がんをできるだけ縮小させてから、または手術では切除しきれない部分にダメージを与えておいてから手術をするといった目的のために行います。
術後照射:手術で切除しきれなかった部分に放射線を照射して、再発のリスクを減らすために行います。
術中照射:手術によってお腹を開き、むき出しになったがんに直接放射線を照射する方法です。目で見て確実に放射線を照射することができる、がんの周囲が放射線に弱い部分であってもそれを避けて照射できるといったメリットがあります。
薬物療法と放射線療法を併用する治療を「化学放射線療法」といいます。併用することによって、それぞれの療法の効果を高めることができます。
(公開:2022年8月)