治療前
がんの広がり、進行の程度など、がんの状態を客観的に示す指標を病期(ステージ)といいます。病期が進む(0期 → I期 → II期 → …)ほど、より進行していることを表します。
病期は、がんの大きさや、がんが一部分にとどまっているかどうか、どの程度広がっているかなどによって分類されます。
病期分類の目的の一つは治療方針を立てることです。例えば、がんがとても小さく転移※していない場合と、がんが大きかったり他の臓器に転移していたりした場合では、推奨される治療法が異なります。そのため、患者さんにとって治療効果が高く、かつ体への負担ができるだけ少ない治療法を選択するために、病期分類がとても重要となります。
転移:がん細胞が血管やリンパ管を通って、発生した場所から離れた組織や臓器に移動すること。
また、病期分類は、治療の効果を予測したり、病気がどのような経過をたどるかの医学的な見通し(予後)を立てたりするためなどにも用いられます。
病期の分類法にはいくつか種類があります。
国際対がん連合(UICC)が定めた分類法で、国際標準として広く用いられています。
TNM分類では、「T(tumor)因子」「N(lymph node)因子」「M(metastasis)因子」の3つの視点から、がんがそれぞれどのような状態であるかを評価して、その結果を総合して病期を決定します。
日本国内の各学会・研究会がまとめた、がんの状態や治療結果を記録する際の約束事です。
胃がん、腎がん、前立腺がん、大腸がん、乳がん、肺がん、卵巣腫瘍などのそれぞれについて、取扱い規約が定められています。
(公開:2022年8月)